土地付き太陽光発電

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次世代蓄電技術生かし、再生可能エネルギー供給を安定化-クボテック

ブルームバーグ): 太陽光や風力など再生可能エネルギーを利用した電力の供給が増えるなか、気象条件で変動する発電量を送電網の中で安定化させる技術に関心が集まっている。クボテックは、次世代の蓄電技術で活用が可能な、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製のフライホイールと呼ばれる大型の円盤の開発に成功。投資家の注目を集めた結果、同社の株価は年初から3倍高となっており、TOPIX(東証株価指数)構成銘柄のうち2番目の上昇率を記録している。

このフライホイールは、同社のほか公益財団法人鉄道総合技術研究所古河電気工業などが参加して4月に試運転開始を発表した蓄電システムの実証機に使われている。

鉄道総研のウェブサイトによると、この次世代フライホイール蓄電システムは自然条件によって瞬間的に発電量が増加した時に重量4トン、直径2メートルのフライホイールの回転エネルギーに変換して蓄えておき、瞬間的に電力が減少した時に蓄えておいた回転エネルギーを電力に変換するもの。再生可能エネルギーの利用を拡大するため、不安定な発電設備と蓄電装置を組み合わせ、出力の変動を滑らかにする技術が求められているという。クボテックの渡辺伸二企画部長は、ブルームバーグのインタビューで「フライホイールを世界に先駆けて実用化させる」ことで、同社の主力事業に育てる意向を示した。今後4-6年でフライホイール関連事業の売り上げを40億円程度まで増やしたい考えだ。再生可能エネルギー用のほか、鉄道の変電所で回生電力を貯蔵する用途も想定している。

リニアモーターカーの技術応用

この実証機は、軸受部の摩擦による損失をなくすため、鉄道総研リニアモーターカーの技術を応用して考案した超電導磁気軸受を利用。浮上したフライホイールを真空の容器内で回転させ、エネルギーの変換効率を向上させているという。他の蓄電システムと比較すると出力が大きく、短時間での充放電が可能なほか、劣化が少なく寿命が長いという利点がある。これまでは、高速で回転できる大型のフライホイールが製作できなかったため大容量の蓄電システムの実現も難しかった。しかし、特殊な炭素繊維の織り方で強度を高めることで、直径2メートルのフライホイールの製造が可能になったという。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)が実証事業の研究開発費用の3分の2程度を助成。NEDOの細井敬・蓄電技術開発室長は「フライホイールは耐久性がいい」のが長所のひとつだと指摘。また「瞬発力がすごくある」ために秒単位から分単位の放電が可能だと話した。

この実証事業では、山梨県が運営している米倉山大規模太陽電池発電所甲府市)で1000キロワットの試験用発電設備に蓄電容量100キロワット時のフライホイール蓄電装置を組み合わせ、東京電力の送電網に流す試験を7月から実施する。